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『クドリャフカの順番』まで読んで、「4作目の『遠まわりする雛』って、どんなお話?」と気になっていませんか?
結論から言うと、スキマ時間に1話ずつ読めて、とっても楽しめる短編集でした!
416ページありますが、2日・2時間10分で読み終わりました📚
私自身は長編大好きマンです😂
でも、スキマ時間にはやっぱり短編集が読みやすい!と実感した1冊です。
この記事では、司書歴15年の私が、前半はネタバレなしで『遠まわりする雛』の感想をお届けします。
後半には、ボタンを押すと開くネタバレありの感想もあります。最後の話で「はわわ〜」となった場面も書いているので、読み終わった人だけ開いてくださいね。
『遠まわりする雛』の作品情報
- 書名:遠まわりする雛
- 著者:米澤穂信
- 出版社:KADOKAWA(角川文庫)
- 発売日:2010年7月24日
- ページ数:416ページ
- シリーズ:〈古典部〉シリーズの4作目(『クドリャフカの順番』の続き)
- 短編集:7話収録
- やるべきことなら手短に
- 大罪を犯す
- 正体見たり
- 心あたりのある者は
- あきましておめでとう
- 手作りチョコレート事件
- 遠まわりする雛
私は職場の図書館で借りて読みました📚
『遠まわりする雛』のあらすじ(ネタバレなし)
『遠まわりする雛』は、古典部のメンバーの1年間をえがいた短編集です。
作者の米澤穂信さんの「あとがき」によると、一学期・夏休み・二学期・冬休み・三学期・春休みに、それぞれお話が振り分けられているんです!
表題作「遠まわりする雛」では、奉太郎が千反田さんに頼まれて、地元のお祭り「生き雛」に参加します。
ところが、連絡の手違いで、お祭りが開けなくなるかも…!?
その「手違い」が気になった千反田さんは、奉太郎といっしょに真相を推理していきます。
心に残った3つのお話
短編集の中で、特に心に残ったお話は3つです。
「心あたりのある者は」(p.145〜)|たった一言から推理が広がる
「心あたりのある者は」は、「なるほど!」と頭を使うのが楽しいお話でした。
ある11月の放課後。
部室にいるのは、奉太郎と千反田さんの2人だけです。
千反田さんは、「氷菓」事件のときの奉太郎の推理力をほめます。
でも奉太郎は、「自分は運がよかっただけだ」と否定するんです。
千反田さんも、自分の意見をゆずりません。
そこで奉太郎は、こう申し出ます。
それなら、千反田。何か状況を一つ出してみろ。そう簡単に理屈をくっつけるなんてできないと証明してやる。
(米澤穂信『遠まわりする雛』角川文庫 p.150より)
ちょうどそのとき、校内放送が流れます👇
十月三十一日、駅前の巧文堂で買い物をした心あたりのある者は、至急、職員室柴崎のところまで来なさい
(同 p.151より)
この放送は、いったい何のため…!?
不思議に思った千反田さんは、「この放送がなぜ流れたのか、推論を立ててほしい」と奉太郎に頼みます。
そこから、2人の推理が始まるんです!
おもしろいのは、たった一言から、どんどん推理が広がっていくところです。
そして最後に、「そういうことか!」と全部がつながります✨
「手作りチョコレート事件」(p.259〜)|里志と摩耶花のお話
「手作りチョコレート事件」は、里志と摩耶花の気持ちが心に残るお話でした。
どんなふうに心に残ったのかは、後半の「ネタバレあり」に書きますね😊
「遠まわりする雛」(p.347〜)|景色や雰囲気がきれい
表題作の「遠まわりする雛」は、景色や雰囲気がとってもきれいなお話でした。
最後の話で、思わず胸がときめきました…!
くわしくは、後半の「ネタバレあり」に書きますね😊
時間がなくても読める?
結論から言うと、読めます! 私は2日・合計2時間10分で読み終わりました。
- 期間:10月28日〜29日の2日間
- 読んだ時間:合計2時間10分
- 一気読みしたくなる?:1話ずつ区切って読める!
『遠まわりする雛』は短編集なので、スキマ時間に1話ずつ読めます。
416ページと聞くと、ちょっと身がまえますよね💦
でも、1話ずつ区切りがあるので、途中でやめても続きから読みやすいです😊
本を開く時間がなかなか取れない…という人は、Audible版もありますよ!
Audibleを実際に使ってみた感想は、こちらにまとめています👇
司書がAudibleを1ヶ月使って、1冊も聴き終わりませんでした|それでも続ける理由
『遠まわりする雛』は、Audibleの聴き放題で聴けます(2026年10月時点)。
Audibleには30日間の無料体験があります。登録したら、その日のうちに10分でいいので聴いてみてください👂
『氷菓』から読まないとダメ?
結論から言うと、シリーズの順番どおりに読んだほうが、より楽しめます!
作中には「氷菓事件」というワードも出てきます。
それに、これまでの〈古典部〉シリーズに出てきた登場人物もいるんです。
なので、できれば『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』を読んでから手に取ってほしいなと思います😊
3作の感想は、こちらにまとめています👇
【感想】氷菓|アニメを観た人にも!読みやすい日常の謎ミステリー【ネタバレなし・あり】
【感想】愚者のエンドロール|氷菓の続きはミステリー色アップ!タイトルの意味も考察【ネタバレなし・あり】
【感想】クドリャフカの順番|文集200部、売り切れる!?文化祭がハラハラ【ネタバレなし・あり】
『遠まわりする雛』はこんな人におすすめ
- 氷菓シリーズが好きで、続きが読みたい人
- スキマ時間でミステリを読みたい人
- 日常系のミステリーが好きな人
- アニメ『氷菓』を観た人
- 長編はちょっと重いな…と感じている人
〈古典部〉シリーズの順番
『遠まわりする雛』は〈古典部〉シリーズの4作目です。
- 氷菓
- 愚者のエンドロール
- クドリャフカの順番
- 遠まわりする雛(この本)
- ふたりの距離の概算
- いまさら翼といわれても
まとめ(ネタバレなし)|スキマ時間に1話ずつ楽しめる古典部の短編集
『遠まわりする雛』は、古典部のメンバーが日常の謎に挑む短編集です。
- 短編集なので、スキマ時間に1話ずつ読める
- 「なるほど!」と頭を使うお話も、雰囲気がきれいなお話も入っている
- 416ページを、2日・2時間10分で読めた
- 『氷菓』から順番どおりに読むのがおすすめ
〈古典部〉シリーズが好きな人は、ぜひ続けて読んでみてくださいね😊
ほかの日常ミステリーも読みたい人は、こちらもどうぞ👇
日常ミステリおすすめ5選|小さな違和感がクセになる読みやすい傑作集
小市民シリーズ読む順番まとめ|初心者にもわかりやすく解説!
⚠️ここから先はネタバレありです⚠️
謎の答えと結末に触れます。まだ読んでいない人は、ここでストップしてくださいね!
ネタバレありの感想を読む(クリックで開きます)
【ネタバレあり】「手作りチョコレート事件」で胸がぎゅっとなった理由
「手作りチョコレート事件」は、切なくて、胸がぎゅっとしました😭
摩耶花の手作りチョコレートを盗んだのは、なんと里志だったんです…!
中学時代の里志は、まわりの人に勝つことにこだわっていました。
でも、あるときから、こだわるのをやめます(こだわらないことに、こだわるようになったんです)。
そこからは、広く浅く、ものごとを楽しむようになりました(こだわらない程度に!)。
ただ、摩耶花のことだけは例外でした。
ほかのことにはこだわらないのに、摩耶花のことにはこだわってもいいのか…。
里志は、中学3年生のバレンタインデーから、ずっと答えを出せずにいたんです。
そして、今年のバレンタインデーに答えを出すつもりでした。
なのに里志は、答えを保留にするために、チョコを割って自分の巾着袋に隠してしまいます。
チョコがなくなったのを見つけた千反田さんは、盗まれたと思いこみます。
自分がチョコを置いていた部室を離れたせいだと、自分を責めてしまうんです💦
でも、摩耶花は見抜いていました。
犯人が里志だということも、里志が自分の想いから逃げたということも。
1年待った摩耶花への仕打ちがこれか!と、里志への腹立たしさがわきました😭
そんなに悩むなよ、好きなら好きって言って、相手もそうなら付き合えばいいんだよ!と、切ない気持ちになりました。
そして、摩耶花のけなげさにも切なくなりました…。
ええ子や…幸せになって!😭
【ネタバレあり】生き雛の行列が、予定外の道を通った理由
「遠まわりする雛」の謎は、なぜ生き雛の行列が、予定外のルートを通ることになったのか?です。
もともと行列が通る長久橋は、工事中でした。
そこで、お祭りの日だけ工事を休んでもらい、通れるようにしていたんです。
ところが、誰かが業者に「工事をしてもいい」と連絡してしまいます。
これが、ルートが変わった原因でした。
千反田さんによると、その犯人は「小成さんの息子さん」。
いまは地元を出ていて、お祭りのために帰ってきていた人です。
彼は、川沿いに狂い咲きしている桜があることを知っていたのだと思われます。
そして、桜の樹の下を生き雛の行列が通る景色を見たくて、工事をしてもいいと連絡したのでした。
【ネタバレあり】最後の話で「はわわ〜」となった場面
表題作「遠まわりする雛」でいちばん心に残ったのは、奉太郎が千反田さんへの恋心を自覚する場面です。
雛役の千反田さんは、十二単を着て奉太郎の前にあらわれます。
そのとき、奉太郎はこう思うんです。
これは良くないな、と。こういう装いは良くない。しまった。たぶん、なんとしても、俺はここに来るべきではなかった。
というのは、つまり、どういうことかというと。
つまり⋯⋯。
(米澤穂信『遠まわりする雛』角川文庫 p.387より)
これはもう、千反田さんへの恋心を自覚したということですよね!?
思わず「はわわ〜」と胸がときめきました…!
奉太郎が「しまった」と、言葉が出てこなかった理由。
それは、省エネを自負している奉太郎が、千反田さんへの情熱を持ったことへの戸惑いだったのでは…!?と思います(私の推測です)。
いいぞいいぞ、若者特有の初々しい葛藤!
がんばれ〜〜〜!😂
あとがきで米澤穂信さんは、題名の意味にもふれています。
1年をいっしょに過ごすと、登場人物たちの距離感も変わっていきます。
でも、その変化はゆるやかなので、題名が『遠まわりする雛』になったんだそうです。
奉太郎と千反田さんの距離も、まさに「遠まわり」ですね…!
今後の展開に要注目です😊

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