本格ミステリーの世界へようこそ「犯人は誰?」
「どうやって密室から脱出したのか?」
そんな知的な謎解きが楽しめるのが、“本格ミステリー”の魅力。
けれど、「難しそう」「どれから読めばいいかわからない」という声もよく聞きます。
この記事では、初心者でも楽しめる“本格ミステリー入門にぴったりの5冊”を厳選してご紹介。
読みやすさと驚きのトリック、どちらも兼ね備えた名作ばかりです。
『十角館の殺人』綾辻行人(講談社文庫)
新本格ミステリの金字塔。「本格ってこういうことか!」と目を見張る一冊。
舞台は、孤島に建つ“十角形”の奇妙な館。
そこに滞在するのは、大学の推理小説研究会のメンバーたち。
ある日、彼らの中の一人が何者かに殺され、連続殺人が始まる——。
密室、限られた登場人物、疑心暗鬼…。
まさに「クローズド・サークル」の王道です。
『占星術殺人事件』島田荘司(講談社文庫)
御手洗潔シリーズ第1作にして、日本ミステリ史を代表する奇想×論理。
ある芸術家が遺したのは、6人の娘を「解体」して、理想の女性を作るという狂気の計画書。
そして彼は密室で殺害され、数十年後、その娘たちが実際に…?
この作品の魅力は、奇抜なトリックと、科学的・論理的な解決。
時代を超えて今も読み継がれる超名作であり、ロジック好きにはたまらない一冊です。
『屍人荘の殺人』今村昌弘(創元推理文庫)
“予想外のジャンル融合”が話題沸騰。現代風のエンタメ×本格ミステリ。
大学のミステリー研究会に所属する葉村と明智。彼らはひょんなことから合宿に参加するが、滞在先の山荘で想定外の“非日常”に巻き込まれていく…。
前半の展開が「まさかの○○ジャンル」と交差し、「本格として成立するの?」と驚きつつも、
後半にはちゃんと論理的な犯人当てが待っています。
『殺戮にいたる病』我孫子武丸(講談社文庫)
東京を騒がせる連続殺人鬼・蒲生稔。
彼の行動を描く章と、事件を追う刑事や関係者の視点が交錯して展開される物語。
一見淡々とした文体ながら、最後の数ページですべての前提が崩れる衝撃。
ミステリーの面白さは“視点”にあることを教えてくれる一冊です。
『ジェリーフィッシュは凍らない』市川憂人(創元推理文庫)
科学×密室×論理=理系派も納得の本格ミステリー。
舞台は、最新鋭の航空機「ジェリーフィッシュ」。
完全密室状態の中、ある人物が何者かに殺される。
しかも、この機体に搭乗していたのは、全員が設計関係者。動機もチャンスも誰にでもある…。
工学・物理的知識を活かしたロジック、洗練された構成、美しい叙述。
理系の知的好奇心も刺激しつつ、エンタメとしても非常に読みやすい!
まとめ|まずはここから、本格ミステリーの世界へ
タイトル | 作者 | 特徴 |
---|---|---|
十角館の殺人 | 綾辻行人 | 新本格の原点。どんでん返しの代表格 |
占星術殺人事件 | 島田荘司 | 奇想×論理のトリック重視ミステリ |
屍人荘の殺人 | 今村昌弘 | 現代風で読みやすいジャンル融合型 |
殺戮にいたる病 | 我孫子武丸 | 叙述トリックの超傑作 |
ジェリーフィッシュは凍らない | 市川憂人 | 密室×科学×論理の理系本格 |

どの作品も、それぞれ異なるタイプの本格ミステリーなので、最初の1冊に迷っても大丈夫。
「こんなトリックがあったのか」「こんな騙し方があるのか」と思わず驚く読書体験が、あなたを待っています。
ぜひ、気になる1冊から本格ミステリーの世界に踏み込んでみてください
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