「あと1章だけ…」そう思って読み始めたのに、気づけば深夜。
そんな読書体験、誰しも一度はありますよね。
今回は、ミステリー好きが「続きが気になって寝不足になった…!」と語る、一気読み必至のミステリーシリーズを5つご紹介します。
名作から異色作まで取り揃えました。あなたの“次の寝不足”を引き起こすのはどのシリーズか、ぜひチェックしてみてください。
① 小市民シリーズ(米澤穂信)
📘『春期限定いちごタルト事件』から始まる、青春と謎解きが交錯する人気シリーズ。
平穏な日常を目指す〈小鳩常悟朗〉と〈小佐内ゆき〉のふたりが、なぜか毎度事件に巻き込まれていく──。
シリーズの魅力は、淡々とした語り口の裏に潜む緻密な伏線と、思春期特有の機微をすくいとる繊細さ。
彼らの“普通でいたい”という願いは、読むうちに切なさすら帯びてきます。
2024年にはシリーズの最終巻『冬期限定ボンボンショコラ事件』が刊行され、本編の物語を完結させました。
📚既刊:本編4作+短編集1冊(完結済)
② 館シリーズ(綾辻行人)
🕯️『十角館の殺人』を皮切りに、さまざまな“館”を舞台とした本格ミステリーの名作群。
“新本格”という言葉を世に知らしめた、まさに伝説のシリーズです。
各巻で登場する館には、奇妙な仕掛けや過去の因縁が潜んでおり、読み進めるたびに背筋がぞくりとするような展開が待っています。
読者の予想を裏切るどんでん返しの応酬に、「次の館はどんなトリック?」と止まらなくなること請け合い。
📚既刊:9作(未完結)
③ ススキノ探偵シリーズ(東直己)
🍸北海道・札幌を舞台に、私立探偵の“俺”が活躍するハードボイルド・ミステリー。
独白形式の語りと、酒と暴力とユーモアが同居する文体がクセになります。
社会の裏側を覗き込むような物語には、暴力描写や哀愁、そして人生のリアルが濃密に描かれ、読後は妙にしんみりすることも。
それでも「次はどんな依頼が来るのか?」と手を伸ばさずにはいられない中毒性があります。
📚既刊:12作(未完結)
🎬映画化(大泉洋主演「探偵はBARにいる」)もあり
④ 碓氷優佳シリーズ(石持浅海)
🌋火山学を専攻する大学院生・碓氷優佳が、冷静な論理と思考力で事件の真相を見抜いていく知的ミステリー。
このシリーズの最大の特徴は、倒叙形式(犯人の視点で始まる)で描かれている点です。
読者には犯人が明かされた状態で物語が進むため、「どうやってバレるのか?」「優佳がどこに違和感を覚えるのか?」に焦点が当たり、通常の“謎解き”とは異なる緊張感があります。
優佳の理性的で淡々とした言動と、容赦のない核心への切り込みは、読後にひやりとした余韻を残してくれます。
感情的ではなく論理で解きほぐす、そんなミステリーを求める方にぴったりのシリーズです。
📚既刊:6作(未完結)
⑤ バチカン奇跡調査官シリーズ(藤木稟)
⛪超常現象や神の奇跡を調査する、異色のミステリー×オカルト小説。
バチカン所属のふたりの神父が世界各地で不可解な事件に挑みます。
一見ファンタジーのようですが、科学的な視点と心理的考察を巧みに交え、読者をぐいぐいと引き込んでいきます。
「本当に奇跡は起きたのか?」という問いに揺さぶられながら、1冊、また1冊と手が伸びてしまうシリーズです。
📚既刊:既刊25作(未完結)
おわりに|眠れなくても、読むのはやめられない
どのシリーズも、ひとたび読み始めれば最後、「気づけば夜中」「次巻が手元になくてつらい」…そんな声があがる名作ぞろいです。
読書はときに、生活リズムを壊すほどの没入体験をくれます。
眠れなくても後悔はない、そんな“危険なシリーズ”を、ぜひあなたも読んでみてください。
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