「司書って、静かに本を扱っているだけの仕事でしょ?」
そんなイメージを持たれることも多いですが、実際には“言葉で伝える”場面がたくさんあります。
図書委員の先生方とのメール、利用者への掲示やPOP、そしてSNSの発信…。
図書館司書の仕事は、裏方でありながら、日々「伝える力」が求められています。
今回は、大学図書館で働く司書の立場から、現場でよく使う“伝える仕事術”をご紹介します。
① メール対応|丁寧かつ簡潔に、目的と敬意を伝える
図書館の業務では、学内外のさまざまな方とメールで連絡を取ることが多くあります。
特に図書委員の先生への連絡や、書店・業者とのやりとりでは、「誠実で、要点が分かりやすい」文面が重要です。
📧 文例:図書委員の先生に製本依頼を確認する場合
○○学科 図書委員 ○○先生
いつも大変お世話になっております。附属図書館の○○です。
○月○日付でご提出いただきました雑誌製本の件につきまして、
ご指示のとおり「製本」ということで承知いたしました。また、備考欄にご記載いただいた「○○○○」の意味についても、
丁寧にご説明くださり、誠にありがとうございました。お忙しい中ご対応いただき感謝申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
■ ポイント:
- 冒頭と結びは丁寧に
- 用件は箇条書きか短い段落で伝える
- 不要な敬語の重複(ご確認いただけますでしょうか⇒「ご確認ください」でOK)に注意
② 掲示・POP|「見せる・伝わる」工夫を取り入れる
図書館内の掲示物やPOPも、利用者に伝える大切なツールです。
ただ文字を並べるだけでは、忙しい学生の目には留まりません。
📌 掲示文の例:試験期間中の利用制限
「📖試験期間中(1/8~1/25)は、学外の方の利用を一時停止しています」
アイキャッチや絵文字、色分けをうまく使うことで、パッと目に入るデザインになります。
■ 工夫のコツ:
- タイトルは大きく・太く・目立つように
- 要点は1文完結で簡潔に
- 「どこに貼るか」も大切(掲示板・出入口・カウンター横など)
学生アルバイトさんの目線を借りて、「見やすさチェック」をしてもらうこともあります◎
③ SNS運用|“堅すぎず親しみやすく”が合言葉
大学図書館の公式SNS(X/旧Twitter)では、堅苦しくなりすぎず、親しみやすい言葉づかいを意識しています。
📱 投稿例:「図書館の使い方」シリーズ
【図書館の使い方📚】#1 OPAC検索ってなに?
「この本、あるかな…?」
そんなときは、OPACで検索🔍▶ https://〇〇〇(リンク)
キーワードを入れるだけで、図書館にある本がすぐ分かります✨#大学図書館 #図書館活用術 #読書好きと繋がりたい
■ SNS投稿のコツ:
- 絵文字や改行で読みやすく
- リンクや画像をセットにして視認性UP
- 曜日別テンプレ(例:月曜は新着紹介、水曜は使い方Tips)などで継続しやすく
投稿は「100点を目指さず、70点でいいから続けること」が何より大事です🌱
④ まとめ|“伝える”ことも司書の大切なスキル
メールも掲示もSNSも、すべて「相手のためを思って言葉を選ぶ」ことが大切。
伝える力は一朝一夕で身につくものではありませんが、「どうすれば、もっと伝わるか?」を日々意識することで、少しずつ磨かれていきます。
📌 司書が実感する「伝える仕事」の心得
- 誠実で、読みやすく、分かりやすく
- 相手の状況を思いやった表現
- “読む人が主役”の文章を目指す
「司書=本の専門家」であると同時に、
「伝える人」でもあることを、これからも大切にしていきたいと思います。
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