成瀬は天下を取りにいく / 宮島未奈

今話題の本屋大賞作品を読みましたので、ご紹介します。

成瀬は天下を取りにいく / 宮島未奈

あらすじ

中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。

コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。

さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。

今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない！　

話題沸騰、圧巻のデビュー作。

（出版社ホームページより）

読んだきっかけ

もう2023年のXの読書アカウント界隈では見なかった日はないほど、話題になっていましたよね！
そしてAmazonで見てびっくりしたのが、
【坪田譲治文学賞】
【「静岡書店大賞」小説部門 第１位】
【ダ・ヴィンチ「BOOK OF THE YEAR 2023」小説部門第１位】
【「読書メーター OF THE TEAR 2023-2024」第１位】
【「中高生におすすめする司書のイチオシ本 2023年版」第１位】
【第17回「神奈川学校図書館員大賞（KO本大賞）」受賞】
【「キノベス！2024」第１位】
など続々受賞していること。
帯には「10冠」の文字が…思わず二度見しました。
競馬のアーモンドアイ（8冠）超えてきたか…すごいぞ成瀬…どんな人物なのかと気になって手に取りました。

こんな人におすすめ

・「最高の主人公」に興味がある人
・自分にコンプレックスがある人
・青春小説が好きな人

『成瀬は天下を取りにいく』の感想

最高の主人公

成瀬はいつも周りを驚かせます。

作品の中だけでも

・天才シャボン玉少女としてローカル番組に出演（小学5年）

・西武大津店に毎日通い、中継に映る（中学2年）

・幼馴染の島崎とコンビを組み、M-1に出場（中学～高校）

・髪の生えるスピードの検証のため、高校の入学式は、坊主で出席

・将来の目標は、二百歳まで生きること

「二百歳まで生きる」ってすごい目標だ…！

人間が二百歳まで生きられるなんて、考えたこともありません。

それを本気で達成できると考えて、目標にしてしまうのが、成瀬なのです。

最高に圧倒的な主人公…かっこいいですね。

滋賀への愛

本作品の舞台は滋賀県です。

私は滋賀県を訪れたことがないため、ローカルネタが分からないところもありましたが、きっと地元の方が読んだら「そうそう～」と読んで、思わずふきだしてしまう場面もあるのだろうなと想像できます。

「地元の夕方ローカルニュース」とか地元民しか分からない固有名詞ですよね（笑）

私は関西圏は大阪・京都・奈良の観光地くらいしか行ったことがありません。

一度「成瀬」の聖地巡礼で、滋賀県にも行ってみたいな。

（きっとそう思っているのは、私だけではないはず！）

とても読みやすい青春小説

こちらの作品は読みやすいため、中高生の学生さんからきっと楽しめると思います。

登場人物が中学生～高校生のため、35歳の私にはきらきらしてまぶしかった。

私が一番感情移入した登場人物は、「ぬっきー」。

ぬっきーこと大貫かえでは、成瀬の小学校からの同級生で、進学先の高校で成瀬とおなじクラスとなります。せっかく高校デビューしようと縮毛矯正をかけたりとイメチェンしたのに、以前の自分を知っている成瀬のことがわずらわしい…。

私もよく自分と人を比べて嫉妬したりひがんだりする人間なもので…（苦笑）

（今は図太く「人は人、自分は自分」と思えるようになりましたが）

高校生のときなんかは、周りの人がみんな自分を笑っている気がしたコンプレックスの塊でしたね。まあ私の話はどちらでもいいし、話がそれてしまいました（笑）

自分に自信がないぬっきーを、可愛い可愛いしてあげたいと思いました。

ほかにも成瀬の幼馴染の島崎・成瀬に一目ぼれした西浦君、成瀬自身からの目線の話などがあります。

どの話も中高生のピュアな気持ちを思い出すことができて、読後感はとても軽やかでさわやかな気持ちでした。

まとめ

今回は2024年本屋大賞作品の『成瀬は天下を取りにいく』をご紹介しました。

今年も成瀬や作品の舞台に注目が集まりそうですね…！

読書好きな方はもちろん、普段読書になじみがない方にも「本屋大賞」には関心があるようで、職場でも「本屋大賞」のテーマで展示をしていると、歴代大賞やノミネート作品は続々と貸出されています。

うち（本館）の「成瀬」は今どなたの手元にあるのでしょうか。

きっと誰かを楽しませてくれているだろうなと、思いをはせています。

ちなみに、こちらには続編の『成瀬は信じた道をいく』もあります。

私はまだ未読なのですが、さらにパワーアップしたであろう成瀬に会うのが楽しみです！

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。